次世代の太陽電池として注目を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。この太陽電池は、塗布や印刷による製造が可能なため、低コスト化が期待できるというもの。また、従来のシリコン太陽電池とは異なり、軽量で柔軟性に富むため、従来とは異なる設置や利用が可能となる点で注目されています。
今回は太陽電池関連銘柄を掘り下げたいと思います。
※個別銘柄についても触れますが、実際にこの分野でどれだけ売上・利益に寄与するかなどは、将来の予測でしかないため推奨ではありません。
目次
ペロブスカイト太陽電池の最新動向と関連銘柄6選
積水化学工業
積水化学工業(4204)はこの分野で注目される銘柄です。
独自の「封止技術」「成膜技術」「材料技術」「プロセス技術」により、業界に先駆けてペロブスカイト太陽電池の屋外耐久性10年相当を実証しました。さらに、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造にも成功しており、東京都千代田区での再開発中のサウスタワーへの設置も予定されているとのこと。2025年の事業化を目標としています。
公式サイトのペロブスカイト太陽電池に関するお知らせのページはこちら。
四半期報告書
https://www.sekisui.co.jp/ir/document/yuhou/__icsFiles/afieldfile/2024/02/09/yuhou102_3.pdf
によると、売上高の構成として日本国内での売り上げが約3分の2、特に住宅関連が全体の4割程度と大きく、次いで環境・ライフライン、高機能プラスチックなどが続きます。ということで、景気が悪化すると収益が下がるリスクはあるということは念頭に置いた方が良いですね。
太陽電池がどれほど全体に寄与するかは慎重に考えたほうが良いと思います。
カネカ
カネカ(4118)は1949年設立の総合化学会社です。塩化ビニル樹脂製品や住宅の素材、そのほかバイオや医療分野の事業を行ています。売上高の構成としては、素材が4割強、QOL(住宅や太陽電池関連)と食品関連が2割ずつ、ヘルスケア1割というところ。
やはり景気減速の影響を受ける業種ですが、米欧の利上げから利下げに転じた辺りで徐々に住宅市況が回復すれば追い風になるのでしょうか・・・?また、食品やヘルスケアは成長がみられる分野のようですね。
ペロブスカイト太陽電池については公式サイト
https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2022/nr2203161.html
より。”世界最薄水準である約10μm厚の超薄型ペロブスカイト太陽電池を開発”しているとのこと。ここからどのように実装していくかはやはり遠い道のりですね。ただ、太陽光発電に関しては実績があるということは言えそうです。
ホシデン
ホシデン(6804)は総合電子部品メーカーで太陽光関連事業を抱えています。直近では自動車関連が好調で上方修正も行っています。
NPC
NPC(6255)は 太陽電池の製造装置大手で、約30年の実績が強みとされています。国内外の太陽光パネルメーカーに対しペロブスカイト型などの次世代型太陽電池用の装置を販売も行っており、また、太陽光パネルの検査やリサイクル事業も行っています。太陽電池ど真ん中銘柄ともいえます。
2023年11月提出の有価証券報告書(下記リンク)を見ると、FIRST SOLARとその関連企業への売り上げが大きく(6割以上)、この点はリスクかと思います。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/62550/957bba01/6664/41eb/8057/2daa068ee313/S100SDQ5.pdf
伊勢化学工業(4107)
伊勢化学工業(4107)はAGCを親会社とし、ヨウ素・天然ガス販売が売り上げの8割を占めています。ペロブスカイト太陽電池の材料としてヨウ素を用いており、この要素の原料が、主にチリと日本に遍在するという点で注目を浴びています。
主な取引先として
AGC、JFEミネラル、三菱商事があげられます。
(https://ssl4.eir-parts.net/doc/4107/yuho_pdf/S100QG12/00.pdf)
K&Oエナジーグループ(1663)
K&Oエナジーグループ(1663)も天然ガス・ヨウ素生産を行っています、
やはり資源の少ない日本において、天然ガスを生産・販売できるという点は大きいですね。
ただ、原料は市況の影響で大きく価格が変動する点は注意が必要ですね。
まとめ
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄をご紹介しました。
感覚としては、本格採用はまだこれからという点、ニッチ分野であることからリスクが高い分野だと思います。
個別銘柄について言及しましたが推奨ではありません。
投資は自己責任・ご自身の判断のもとにお行う応お願いいたします。
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