アメリカや世界経済は今後景気後退となるのか?
アナリスト予想と、過去の景気後退局面における株価変動について考察します。
目次
まず参照したいのはこちらの記事
”Probability Of Global Recession Nearing 50%: Citigroup Economists”
『Citiグループのエコノミストは、中央銀行の利上げと需要低下により世界の景気後退の確率を50%とした』
同グループのレポートによると
・今年の経済成長率は3%、来年は2.8%の見通し→スタグフレーション懸念高まり
・カンファレンスボードの調べによると世界の企業のCEOの60%が2023年末までに景気後退入りを懸念しているとの結果
・さらにCEOの約半数がインフレによる価格転嫁とコストカットを行っている
これらの結果からはスタグフレ懸念、インフレの持続と景気後退の可能性が考えられます。
また
・JPモルガンのストラテジストはアメリカの景気後退入りの予想を85%、欧州を80%としている
とのこと。
一方で
・別のストラテジストは『景気後退入りは回避可能』としている
・ブルームバーグのエコノミスト予想では、12か月後までの景気後退入りの確率は30%との結果
ソースによって30%だったり50%だったり80%だったりと
アナリストによって見方は分かれますね。
ただしやはり景気後退懸念は高まりつつあることは注意しておきたいものです。
イエレン長官やパウエル議長は
『景気後退入りは回避しつつのインフレ抑制は可能』
と発言しています。
そうとしか言えない立場なのか、心からそう思っているのかはさておき。
続いての記事
Did The Recession Start Three Months Ago?
『アメリカはすでに景気後退入りしているのか?』という質問にたいし
パイパーサンドラーは“Perhaps”と。
『典型的なベアマーケットはア景気後退入りの95日後に起こる、そして40%の下落をもたらす』とのこと。
すなわち、現在の景気後退は3月にすでに始まっており、ここからさらに20%下落する可能性があるということ。
リーマンショックや世界恐慌レベルの変化も念頭に置く必要があるということかもしれません。
モルガンスタンレーのチーフストラテジストWilson氏によると、最大の下落幅はセクターにもよるものの60%程度も見越す必要があるとのこと。
引用された資料からは、2000年の最大下落率は
・情報技術‐83%(半導体-84%、ソフトウェア-73%など)
・公益-63%
・通信-77%
・自動車-62%
素材や工業も3-4割減。
比較的耐えていたのヘルスケア-14%、飲料-11%、交通-22% など。
過去の平均を見ても
情報技術・不動産・金融・自動車が50-60%と大きく下落
一方で
ヘルスケアは-3割、Staplesは-2から3割と
これらのセクターはやはりディフェンシブ性があります。
もし景気後退入りするようであればS&P500は高値から35‐40%下落を見込むとのこと。
また、景気後退入りを免れるようであれば、戦後の平均からは20%台後半から30%前半程度の下落が過去の数字であることから、今はそこに近いレベルと考えることもできるかもしれません。
今後景気後退入りするかどうかが現在の焦点の一つ
→すでにその局面に突入しているという意見もあるし、
仮に今後後退したとすれば、株価はさらに下落する可能性がある
と考えて、備えておく必要があります。