備忘録として2021年8月最終週~9月第1週にかけての主要国の政治・経済動向と為替の動向のまとめです。
目次
8月27 日のジャクソンホールでの講演では、パウエル議長はテーパリンは年内開始が妥当と表明。
一方、その開始時期やペースと利上げの開始時期は切り離すという内容でした。
テーパリングの年内開始については前回までのFOMCでほぼ織り込み済み、利上げの前倒しはないとの安心感から株価は上昇。
NASDAQ,S&P500は最高値を更新、長期金利は低下しました。
こういったリスクオンムードを受け、ドル・円は売られ、ユーロドル・ユーロ円が上昇する展開に。
注目されていたADP雇用統計は前月比 37万4 千人の雇用増でした。予想の62万5 千人を下回ったものの、週間の新規失業保険申請者数は最低を更新。ISM製造業景気指数も小幅に上昇。景気回復は持続という見方に。
大型ハリケーンが上陸し、メキシコ湾周辺の石油精製施設が操業を停止。供給制約への懸念から、WTI原油先物は上昇しました。
9月3日金曜日、菅義偉首相が自民党総裁選に出馬せず、任期満了とともに辞任する意向を表明して以降、日経平均は上昇、3万円台を突破する場面も。財政出動をともなう景気刺激策へ期待が高まっています。
一方で日本の抱える高齢化、成長持続性への不安などが漠然と漂う雰囲気は根強く、期待剥落後の方向性は慎重に見定めたいところです。
足元では9日のECB 理事会でのPEPPに関する動向に注目が集まっている状況です。
EUのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)での買入れペースや資産買入縮小の方向性
ECB高官からはタカ派的な発言が出ており、ドイツの長期金利も上昇。
6 月理事会の声明文では「資産買入れを年初よりも大幅に拡大すると見込んでいる」との文言が維持されましたが、買い入れのペースが継続されるのか、もしくは縮小に関して具体的な議論があるのかといった点が注目となります。
仮に第 4 四半 期のPEPPでの買入れ縮小や終了に向けた議論の開始が示された場合、リスクオンムードにとってサプライズとなる可能性があります。
ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演後のドル安方向となり、人民元は上昇傾向となるも上値は重い流れ。
8月の製造業PMIは50.1と前回7月から悪化。原材料の輸入価格高止まりと物価上昇、
新型コロナ感染拡大による行動制限と物流・供給網の制約もあり、当面は減速感が意識されています。
政府による財政・金融での支援策への期待から株価が上昇する場面も見られた一方、大規模な景気刺激策ではなく中小企業に対象を絞った支援にとどまる可能性もあります。
以上、8月下旬~9月第1週の世界の経済政治動向をまとめました。
ECBがサプライズで資産購入を縮小・終了するとの方向性が表明された場合、EU発のテーパータントラムとなってしまう可能性もあるかもしれません。
注目されますね。
この記事がお役に立てれば幸いです。