曜日によって株価の騰落率に傾向はあるのでしょうか?
今回は曜日と株価の傾向・アノマリーについてまとめました。
目次
『バーンスタインのデイトレード実践』という書籍によれば、以下のように記載されています。
S&Pでトレードを始めた1982年以降、S&Pの終値が始値より高い日は月曜に限って言えば、
50%以上であった。
S&P500の大引けが寄り付きより高い曜日の頻度として
月曜日:55.92%
火曜日:49.62%
水曜日:53.65%
木曜日:50.43%
金曜日:51.06%
とされています。
月曜日>水曜日の順に、上昇して終わる傾向が若干ある、といえますね。
ただ、この書籍の中で筆者が強調していることとして
と述べられています。
パターンを利用する方法のひとつとして、
・月曜日に買いのシグナルが出た場合のみに採用する
・金曜日の大引けに買って月曜日に売る
という方法も挙げられています。
月曜日には上昇のバイアスがあるため、
補足的に使うとよい、ということかもしれませんね。
ただ週末にポジションを持ち越したくない、という場合には
『月曜の寄り付きで買って大引けで手仕舞い』
という方法も良いかもしれませんね。
前述のように、月曜日・水曜日は若干上がりやすい傾向がみられる反面、
50%よりもやや高い程度です。
また、相場環境や季節性といった違いもありますので
過度に信用することはもちろん厳禁といえるでしょう。
前述の統計によれば
火曜日
が下がる傾向があるといえるかもしれません。
こちらに関しては
前日の月曜日に上がったので翌日は下がる。
その次の水曜日にまた上がる・・・ということかもしれません。
それを調べるには、
「前日の月曜日の上昇・下落と翌日の火曜日の変動の関係」
を検証することが必要でしょう。
前述の書籍で示されていた、曜日のアノマリーの応用方法として
『月曜日の株価が
金曜の高値を3ティック上回れば買い、
安値を26ティック下回れば売り。
最初に利益が取れた寄り付きで手仕舞い。』『木曜日の株価が
水曜の高値を6ティック上回れば買い、
安値を21ティック下回れば売り。
最初に利益が取れた寄り付きで手仕舞い。』
というトレード方法が掲載されていました。
この方法での勝率はそれぞれ77%/78%。
一方
『水曜日の株価が
火曜の高値を6ティック上回れば買い、
安値を21ティック下回れば売り。
最初に利益が取れた寄り付きで手仕舞い。』
という方法だと、勝率は『68%』だったとのこと。
曜日との関係性で成功率に10%も違いが出てしまうとなると、
あながち曜日のアノマリーも無視はできませんね。
また、その日のうちに売ってしまうよりも
翌日の寄り付きまで持ち越す方がよい結果が生まれる場合もあります。
前日の高値・安値との関係でのデイトレードなので
機械的に曜日に従うというよりも
トレンド性のある方法といえます。
(おそらく200日線との関係なども加味した方がよいでしょう)
この書籍には、他にも参考になるトレードのアイデアが多数掲載されており、
またリスク管理方法など勉強になります。
曜日と株価のアノマリーについて記載しました。
曜日によるパターンは過去の統計から得られるものの、
季節性やタイミング、適切なリスク管理と合わせることで
成功率を高める一助になる場合があります。
あくまでも『傾向』であり、五分五分よりも少しいいか、程度のものなので過信は禁物ですが
過去にこのようなことを調べている人もいるのだ、と
備忘録として記載しておきたいと思います。
ご参考になれば幸いです。
・どの指標もどのパターンも損を出す時がある
→その場合は規律のあるトレーダーであれば損切りをしてトレードから撤退する。
長い目で見て成功したいならば、これ以外に方法はない。