米国株投資

社会問題2022後半 米国株見通しへの影響は?

今回は2022年後半の世界的社会問題をピックアップします。

米国株の見通しに影響を与える問題ですので、投資のヒントに。

 

目次

社会問題2022

資源価格の上昇

ロシアーウクライナ戦争の影響から天然ガスの価格が高騰しています。
原油はすでに2020年の底値から大きく上昇していましたが
今後さらに上昇する可能性もあります。

そして資源価格上昇からの社会活動の低下も引き起こしかねず、
GDP低下にもつながる可能性があります。

電力不足懸念

近年電力不足の問題が世界中で生じています。
原因として

・発電に必要な化石燃料不足や高騰化
・気候問題(太陽光・風力発電の弱点、CO2排出抑制)

があります。
これらもやはり社会活動の低下の可能性につながります。
昨年2021年も電力価格の高騰化のため、
製鉄所など工業部門への操業停止が中国で行われたことも記憶に新しいところです。

食糧価格上昇

世界中でインフレが問題となっており、
肉や小麦などの原材料、オイルなどの価格はインフレが続いています。
さらに人件費上昇・運送のためのコストも加わっています。

食糧危機

食糧価格の上昇や、ロシア―ウクライナ戦争・コロナウイルスによる需給の混乱を通じ、食糧不足の懸念があります。
特にアフリカなどでは地域紛争もあり、深刻な食糧不足問題が生じています。

金利上昇

アメリカのFRBはインフレ対策のため今後も政策として利上げを行う方針です。
パウエル議長は『経済に多少の痛みを引き起こす可能性がある』ことは認識していると発言しており、景気の減速懸念も浮上しています。
CPIでは前年比8%を超えるインフレの状況下では現在の金利はむしろまだまだ上昇が足りない、という声もあり
利上げ継続は2024年にかけても続くと思われます。

 

米国株 2022年の見通しは?

株価下落

年初から5月までの時点で米国株式相場は下落トレンドが継続しています。
しかし、FRBによるバランスシートの縮小はまだ開始されておらず、これらが本格的に始まった場合の下値のめどを考えると
現在が底値と言えるのか?調整は終わったのか?と
個人的には疑問を感じてしまいます。

建築・住宅業界への逆風

金利上昇・原材料価格上昇・賃金上昇により、住宅価格の上昇が今後も懸念されます。
ひいては需要減退につながり、住宅関連の市場への逆風となる可能性が懸念されます。
また、一般的には新築の住宅を購入する際には家具やインテリアなども新しく購入するため、大きな消費行動となります。
それらの需要も減退する場合、全体の消費抑制につながる懸念があります。
(一方でインフレ抑制には有効であるため、それこそがFRBの目的にかなうことでもあるのでしょう)

金融業界も安全ではない

金利が上昇すると、長短の金利差から収益を上げる銀行は収益が改善する部分があります。
しかし、景気の悪化が生じると、貸倒引当金の計上、運用収益の悪化などのリスクも生じるため必ずしも収益が改善するとは言えません。
むしろ景気減速局面では金融業界は懸念が生じる分野と言えます。

金利上昇=銀行株にプラス
と単純に当てはめることはできません。

公益なら安全か?

コストを価格に転嫁できるのであれば
電力やインフラなどは比較的防御的と見られがちですが
無限にコストを転嫁できるわけでなければ
インフレ・エネルギー価格上昇によるコスト増による収益の悪化の可能性もあります。

生活必需品

たしかに生活に必要な食料品などは景気が悪化しても最後まで需要は保たれるでしょう。
しかしこの分野もやはりコスト増による収益悪化は免れません。

頭と尻尾はくれてやれ

一部のメディアや識者からは5月の今回の下落をもって調整完了、セリングクライマックスであったという発言も見られます。
それぞれの人間で考え方に違いはあります。

また、『超長期的に』みれば米国株は今後も上昇を続けていく、だから押し目買いをするべき、という声も聞かれます。
この部分に関してもいろいろなご意見はあると思います。
私個人としては具体的な売買の推奨を行う立場にはありませんので
今回のブログを読まれた方で
『今は売りなのか、買いなのか、どう考えているのか?』
と思われた方には申し訳ありませんが、
ご自身で情報収集を行い、考えていくうえで
最善と思う判断をしていただきたいと思います。

ただ、格言に『頭と尻尾はくれてやれ』
という言葉があります。

正確な天井と底を当てることはできない、という意味です。
今は引き締めの方向に向かっている政策がどの時点で転換するか、今後どうなるかを追っていくことが買いの一つになるのではないかと考えています。

参考記事

ZeroHedge
ZeroHedge - On a long enough timeline, the survival rate for everyone drops to zero

 

グルマン

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